CMSといえば「WordPress」がよく使われますし、弊社でもWordPressを使った案件も多いのですが、セキュリティや大規模サイト構築に強みを持つ「Movable Type」を選択するケースも少なくありません。また最近では大規模サイト構築に最適化されている「Movable Type Premium」、導入・運用のしやすい「クラウド版」、さらに手軽で安心して使える「Movable Type.net」など、案件に応じて最適なツールを選ぶこともできるようになりました。
弊社では、そんなMovable Typeシリーズを活用した多くの制作事例がありますので、今回はMovable Typeを選ぶ理由と、実際の制作事例を通して、その可能性とメリットを具体的にご紹介しようと思います。
Movable Typeの3つの特長
Movable Typeの特長を3つ挙げるとすれば、以下の3点になるでしょう。
セキュリティ面での安心
Movable Typeは、WordPressと違って静的なHTMLを生成できるため、サーバー上で動的にページを生成するCMSに比べてセキュリティリスクが格段に低くなります。これによりハッキングや不正アクセスのリスクを最小限に抑えられるため、セキュリティが重要視されるサイトを作りたい場合でも安心して使用できるCMSです。
また、Movable TypeをインストールしたCMSサーバーをインターネットとは切り離し、出力された静的HTMLのみをインターネット上に公開するといった構成もとれるため、さらにセキュリティを許可することも可能です。
弊社でも大規模な大学サイトや病院でサイトでの実績があります。
(シックスアパート社HPよりMovable Typeのシェア)
大規模サイトへの対応力
Movable Typeは、多くのページやブログを持つ大規模サイトでも安定して運用することが可能です。複数のサイトを一元的に扱うこともできるため、管理・運営の手間や面倒を大幅に削減できます。
また、WordPressのように動的にページを生成しないので、アクセスが集中する状況でも高いパフォーマンスを維持でき、トラフィックが多いサイトや大企業のWebサイト運営にも適しています。
大規模サイトなどでは、ステージング環境と本番環境を分け、本番環境はセキュアで軽量化した環境にすることも可能です。
簡単な操作と柔軟なカスタマイズ
Movable Typeのテンプレートは非常に柔軟で、デザインや機能を自由にカスタマイズすることが可能です。必要なプラグインも用意されており、特定のニーズに応じた機能拡張も行えます。
また操作も簡単で、直感的な管理画面により更新や投稿が初心者でも簡単に行えます。弊社では更新マニュアルの作成や、更新担当者さまへのレクチャーも実施させていただいています。
(Movable Type による記事投稿画面のイメージ)
Movable TypeとWordPressの比較表
CMSツールとしてよく使われるWordPressとの特長の違いを比較表にまとめました。
項目 | MovableType | WordPress |
---|---|---|
サイト生成 | 静的サイト生成 | 動的サイト生成 |
セキュリティ | 静的サイト生成により、セキュリティリスクが低い | 動的サイトであるため、プラグインやテーマに依存したリスクあり |
カスタマイズ性 | テンプレートシステムが柔軟で、プラグインによる機能拡張も容易 | 豊富なテーマとプラグインで多様なカスタマイズが可能 |
スケーラビリティ | 大規模サイトや複数ブログの管理に適している | 大規模サイトの管理は可能だが、プラグイン依存度が高い |
よく使われるサイト | 大企業、政府機関、教育機関、病院・医療機関、メディアなど | 個人ブログ、小規模ビジネス、大企業まで幅広く対応 |
SEO対応 | 静的ページにより、SEOに強い構造が作りやすい | プラグインでのSEO対応が主流 |
更新頻度 | 比較的少なめ | 頻繁なアップデート |
費用 | ライセンス費用が必要 | 基本的には無料で使用可能だが、商用テーマやプラグインは有料 |
Movable Typeの種類
MobvableTypeにはいくつかの種類がありますが、弊社でおすすめしているのは以下のタイプです。それぞれの主な特長をご紹介します。
Movable Type クラウド版
https://www.sixapart.jp/movabletype/cloud/
シックスアパート社が用意するクラウド環境にインストールされた最新版の Movable Type をそのまま利用するプランです。
- サーバーを自前で用意する必要がありません。
- サーバー管理やセキュリティ対策はシックスアパート社が行いますので、メンテナンスフリーで安心です。
- 常に最新版のMovable Typeに自動的にアップデートされます。
- Movable Typeに最適化された環境が提供されるため、管理画面の表示スピードはソフトウェア版に比べて約3倍、再構築も約1.6倍の快適性を実現しています。
- 月額費用にはテクニカルサポートも含まれていますので、トラブル時も安心です。
- サーバー配信機能もあり、さらにセキュリティ強度を上げることができます。
Movable Type Premium
https://www.sixapart.jp/movabletype/overview/enterprise.html
大規模サイト構築に最適化したMovable Typeの機能強化版です。
クラウド版と、自社で用意したサーバーにインストールするタイプのソフトウェア版があります。
- 情報の適時開示が可能なセーフプレビュー機能
- 複数段階の社内での確認・承認が設定できる多段階ワークフロー機能
- ステージング、安全なプレビュー表示機能など運用に役立つ便利な各種補助機能など
MovableType.net
MovableType.netは、クラウド版をよりシンプルに手軽にしたサーバー不要のSaaS型CMSで、簡単にウェブサイトを構築・管理できるサービスです。セキュリティやメンテナンスが自動で行われ、小規模〜中規模サイトをスピーディーに構築したい場合におすすめです。
- クラウド上で運用されるため、サーバー管理が不要です。
- 簡単な設定と運用で専門知識がなくても手軽に始められます。
- 高いセキュリティ対策が自動で提供される。
- レスポンシブデザイン対応のモバイルにも対応したテーマが利用可能です。
- 豊富なテンプレートとプラグインで多様なカスタマイズが可能です。
Movable Type ソフトウェア版
https://www.sixapart.jp/movabletype/overview/software.html
- ライセンス買い切り型のソフトウェア・パッケージです。
- 自社が管理するサーバーにインストールして使用できます。
- 基本的な機能はクラウド版と同じです。
Movable Typeを使った主な制作実績
弊社では多くのMovable Typeを使った事例がありますので、実際にMovable Typeを使って制作したサイトの事例をいくつかご紹介します。各サイトの詳細や他の事例などは個別にお問い合わせください。
市立病院サイト
使用CMS:Movable Type Premium
サイト規模が500ページ超と大規模であったため、Premiumを使用。
また公共のサイトであるため、大規模災害時の備え(BCP対策)としてサーバーの二重化と同期システムの構築も行なっています。
国立大学サイト
使用CMS:Movable Type Premium
国立大学ということでセキュリティを重視して静的HTMLを生成するMovableTypeを採用。その中でもサイト規模が大きいことから、大規模サイト構築に便利なPremiumを使いました。
私立大学サイト
使用CMS:Movable Type ソフトウェア版
大学サイトだけでなく、高校や学校法人のサイトもまとめて管理するためMovable Typeを使用。複数のサイトを一元管理しています。
教育情報ポータルサイト
使用CMS:Movable Type クラウド版
セキュリティ面と情報発信のスピードやレスポンスを重視して、クラウド版+サーバー配信機能を使いました。
大手企業サイト
使用CMS:Movable Type クラウド版
セキュリティ面と管理の容易さを重視して、クラウド版+サーバー配信機能を使っています。
大手企業採用情報サイト
使用CMS:Movable Type ソフトウェア版
職種ごとの募集要項など頻繁に更新する部分をMovable Typeで簡単に更新できるようしています。
ECサイト
使用CMS:Movable Type ソフトウェア版
商品情報の更新や商品の検索などをMovable Typeで行っています。外部のカートシステムとも連携しています。
サポート体制とメンテナンスの重要性
Movable Typeに限らずですが、CMSを導入した際は、定期的なメンテナンスがサイトの安全性と運用の安定性を保つために重要です。
弊社はシックスアパート社のプロフェッショナルパートナー「ProNet」のメンバーとして、普段の問い合わせ対応や、使い方のサポートをはじめ、不具合や障害時の迅速な対応、定期的なアップデート管理などを提供しています。
また長期にわたる安心した運用を実現するため、保守契約に基いた継続的なサポート体制も整えていますので、Movable Typeの導入を検討される場合はぜひご相談ください。